ネテモサメテモ。

同人置き場

毒にも薬にもならない約束

※カリムの胸からミルクが出ます…注意。

 

 

「あとで部屋に来てくれ…」

自室に入る手前で、耳打ちをしてきたカリムの耳は、赤く染まっていた。
ひっそりと聞こえた声に、内心、どきりとする。
なんなんだ、と、少々苛つきながらも荷物を置いて寮服に腕を通す。
部屋を一度ノックして返事を待たずに入ると、カリムの姿を見てぎょっとした。

「な、なな、なにしてるんだ!」
ジャミル…ドア、閉めて、くれ…」
中に入って、バタン!と扉を閉める。ついでに、マジカルペンを翳して防衛と防音魔法も掛けた。
クッションに身を預け、ぐったりとしているカリムに近づく。
ぐったりしているとはいえ、体調不良というわけではないようだ。
カリムは、制服のシャツのボタンをすべて開け、胸元を晒し、あげく、両手で自身の胸元の飾りまで弄っていたのだ。

飾り。要は乳首だ。指に隠れたその桃色の突起から、精液に似た白い何かが垂れて、褐色肌を汚す。
なんなんだこの光景は。この乳白色のこれは、なんなんだ。まさか、とジャミルはごくりと生唾を飲んだ。

「どうしよう…止まらないんだ、これ・・・」
形の良い眉を下げて、今にも泣きそうな顔をするカリム。と、なぜか、股間が疼く、俺。
どういう絵面だよ。勘弁してくれ。なんで疼いてんだ、鎮まれ、やめろ。本当に。
そもそもなんで、あり得ない、その乳白色の、ミルクに似たそれは、なんだ。男だろ、お前。あり得ないだろ。
ぐるぐると思考しているうちに、困っている主人のために反射的に動いた従者の手は非常に素直だった。
気づくと、指先できゅっと、摘まんでいた。
「ぁん!」
「……」
「急に、触っちゃ、…!あ、あっ!」
駄目だ。股間が、痛い。
指に力を込めてやると、面白いほど素直にぴゅ、っと出てきた物が胸元を汚す。
なんで喘ぐんだよ、やめろその声。本当に心臓に悪い。
面白い、可愛い。いや違う。これは、そんなつもりじゃ。これは困っている主人を助けるための従者の行動に違いない。
「全部出せば、止まるだろ…」
肌とクッションはびっしょりと濡れてしまうが。どうせ片付けるのは俺なんだからいいだろう、と、人差し指と親指で突起を揉む。

あ、また出た。

「あ、んっ!そ、そうだな、ごめんな、ジャミル、てっ、アッ、手伝わせ、て…!」
ぴゅっ、ぴゅっ。
カリムの声に連動するように突起から出てくる。桃色のそれが白く濡れていく様は、甘い果実すら思わせる。
果実…そうだ、これは甘いのか、どうか。確かめる必要があるな。俺は従者なので確かめる必要がある、と己に言い聞かせて、思わず開いた唇でそれを食んだ。
「む」
「ああっ!やだ、あっ!ジャミル!?」
「んむ…」
確かめるためなので、仕方ない。突起を口内に含み、舌を伸ばして、確かめる。これは仕方のないことなんだぞ、カリム。
逃げる細腰をがっちりと腕で抱き込む。身体の柔らかいカリムは、思いっきり身体を逸らしたが、残念。
そういう体勢になればなるほど胸元を俺に押し付けている状況に気づけていない。
はあ、と可愛らしい呼吸音が耳を掠めた。
伸ばした舌先に感じる、乳白色の雫。思ったより、甘い。甘いんだな、これって。知らなかった。
いや乳幼児のころに経験していたのかもしれないけど。
脳が麻痺していくような気がする。カリムの身体はどこもかしこも甘いのだろうか?
好奇心が抑えられず、ちゅぽ、と唇を離す。乳輪の付近に飛び散った雫をれろ、と舐めとる。
さすがに恥ずかしくなってきのか、カリムは涙目になり、いや、と、首を振った。

「やめて、ジャミル…!オレ、男なのに、こんな…変な身体になったら、家を継げなくなっちまう…!」
たしかにカリムは男体としてこの世に生まれた。しかも、熱砂の大富豪の跡取り長男のおまけ付きだ。
乳首から母乳が出る長男様。いや、ダメだろう。これが商談中だったらどうするんだ。
幸か不幸か、カリムは顔面だけは一級品だった。
同性から見てもこの顔面でにこりと微笑まれると心臓を掴まれてしまう輩は、この学園内、寮内だけでも、多少は居る。おまけに見ていて手を貸したくなるほどの危なっかしいような、愛くるしところまであると来たものだ。
ああ、だめだ。それに加えて母乳が出るだと?カレーにケーキをぶち込んだのか?おいしい物とおいしい物を足したらもっと美味しくなる?馬鹿の発想かよ。
神様、仏様、ナンセンス。なんでそんな属性をカリムにつけたんだ。馬鹿なのか?馬鹿だな。
ヂュッ。
「やぁああ!!!」
ぴゅっ。
馬鹿な音がする。再びちゅぽと、音を鳴らして唇を離す。荒い呼吸を繰り返すカリムの頬をむぎゅっと掴んだ。柔らかい。

「継げなくなったら、俺がもらってやる」
「んぅっ~~!!」
ミルクの甘味が広がる唇をぐっと押し付けた。声にならない声を上げたカリムの乳首からまた、母乳が出た。
俺の下半身は知らぬ間にじわりと染みを作っていた。
あーあ。片付けるものが増えた。めんどくさいことになったと思いながらも、責任を取るために俺はカリムの衣服を脱がすことにした―、ところで。

ぱちりと目が覚めた。

「は」
カリムの寝顔に、ぎょっとして後ずさる。そうだ、ここは寝床で、ここは、カリムの部屋だ。
たまには一緒に寝たいだのと言われて、渋々同じ寝床に入ったのだった。
もぞ、と動いたカリムも、同じように目を覚ました。

「んぅ~?おはよう、じゃみ…うわあっ!?」
大きな瞼を指で擦り、あくびをするカリムのTシャツを捲り上げる。外の寒さに晒されて、ぴんと、張っている胸元の飾りが見えた。
母乳は出てない。良かった… ん?良かった?ああ、あれはやっぱり夢だった。
はあ、と安堵のため息を零す。夢で良かった。
ジャミル、寒い…」
「あ、悪い。」
ぶるっと、震えるカリムに謝って衣服を直す。夜はまだ暑さがあるが、最近は朝方に少し冷えることが多くなった。
今日の朝食には温かい紅茶を入れてやってもいいかもしれないな、と、メニューを考えながら、身体を起こす。
でもその前に言いたいことがあった。
視線を合わせて、カリムの肩に両手を置く。

「お前、絶対にアジームを継ぐんだぞ。いいな、わかったか?」
「…?おうっ!」