ネテモサメテモ。

同人置き場

あたたかな

咽喉が乾いている。
呼吸も浅い。
だからと言って、自分は死んでいるわけではないようだ。

ベッドから起き上がったリクは、気だるそうに素足を床に降ろした。
ひんやりとした気温を感じて、もうすぐこの島にも冬がやってきそうな気配を感じた。
飲み物がほしい、と思っていたところに、もぞもぞと、ベッドのシーツの中からなにかが動きはじめた。
少し手をかけてその中をのぞくと、華奢な肌色が姿を見せる。
んー、と、寝ぼけているのか、柔らかそうな髪の毛を揺らし枕に突っ伏しているせいで表情までは分からない。
うなじには、小さな赤い花が咲いたようにぽつぽつと色が灯っている。
寒そうだ、と感じたリクは少しずらした白い布団をその肩の辺りまで被せ直した。
とんとん、と2回、手のひらで優しく叩くその仕草は昔と変わらない。
いつだってリクは、その役目を担ってきたのだ。
そうだ、水を持ってきてやらないと。

リクは微笑んで、ベッドを後にした。