「果実はほとんどのものに、種があるんだ」 その人は葡萄を一粒摘み、皮を剥いていく。小粒だが、中からいくつかの細かな種が出てきた。 「旦那様もカリム様も、以前喉を詰まらせたことがあってね。一粒の種だって許されない。私たちの仕事は、そういうもの…
「ジャミル、」 得体のしれない何かに向かって、呟く。 寮生やアズール達や監督生。全員にユニーク魔法をかけていたと白状したジャミルの背後に迫りくるのは、鎖で雁字搦めになっている黒い巨人だ。ジャミルはずっと、笑ってる。笑ったままのジャミルと俺達…
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