ネテモサメテモ。

同人置き場

2021-01-07から1日間の記事一覧

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ABOUT TWST・KHの非公式二次創作置き場になります。公式様とは一切関係はございません。CPは、twst→ジャミカリ(カリム右固定寄り)、kh→空受け全般です。同人にご理解のない方は閲覧をお控えください。又、無断転載・オークション等への出品などは固く…

やがて晴天へ

「果実はほとんどのものに、種があるんだ」 その人は葡萄を一粒摘み、皮を剥いていく。小粒だが、中からいくつかの細かな種が出てきた。 「旦那様もカリム様も、以前喉を詰まらせたことがあってね。一粒の種だって許されない。私たちの仕事は、そういうもの…

ようこそ、おかえり

「ジャミル、」 得体のしれない何かに向かって、呟く。 寮生やアズール達や監督生。全員にユニーク魔法をかけていたと白状したジャミルの背後に迫りくるのは、鎖で雁字搦めになっている黒い巨人だ。ジャミルはずっと、笑ってる。笑ったままのジャミルと俺達…

スカラビア寮生による報告

NRC

【寮生Aより】 すやすや。 聞こえる、寝息が。最初、目を疑った。あれ?うちの寮って、赤ちゃんいた?誰か魔法薬被った?違う。よく見たら赤ちゃんのサイズではない。 「むにゃ…」 ?????宇宙猫、スペースキャット。俺だけじゃない。他の奴らにもスペー…

花は摘まれた

「ジャミル!」 ころころとした鈴音のような声が、名を呼ぶ。ふわりとした銀白の長い髪を揺らし、声の主は可愛らしく笑う。走った勢いで膝辺りにきゅっと抱きつかれて、ジャミルは視線を合わせるために背を屈めた。「走っては危ないですよ」「えへへ、ごめん…

密やかなる

年末の恒例行事になったのは、たしか十年以上前か。あの頃は、参加することもましてや仕事を任されることもなかった。子供は子供らしくと、チャイルドルームに押し込まれて、ただ子供らしい遊びをするだけ。大人達の世界に入ることもない。 黒のスーツを着込…

雷雨

空を見上げると、鼻先にぽつりと雨粒が落ちてきた。小さな雨粒はやがて大きな雫と変わり、慌てて手を引く。中庭から屋根のあるベランダまで走りきると、雨音は激しさを増し、大きな飴玉が落下しているような音に聞こえた。カリム自身や、服が濡れていないか…

なんてやさしい食卓

主人の食事を終えてからの使用人の仕事は多い。 銀の食器を片付けて、残された食材はすべて廃棄。家畜の餌にもならない。前日に誰かが毒に当たった、となると翌日に残され廃棄されるものは多い。 今晩のカリムは、一口食べただけで、そのほとんどを残してし…